肉を噛みたい。

おもにいぬになりたいひとのしをかいてます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

濃い朱色に煌めく真っ白のカーディガン。

ゆうべのうちに ほんのり積もった雪が 朝焼けをはね返して わたしの目を奪う。 朝のきらきらは たくさんの光たちを その身で受け止めてはかえし、 1人としてそこに留まることのできない 淋しさと切なさが美しかった。 決してだれも、 その冷たい肌に触れるこ…

満月

ふと見上げると、満月だった。 ただぼんやりと「今日は満月なのか」と思った。 先程まで貴方に触れていた右手には、 着替えなどの入ったカバンの取っ手が 握られている。 手が悴む寒さに舌打ちしながら、 貴方のいない右側を見ないふりをした。 まだ、そこに…

Good night.☪︎

触れてほしい 唇に 瞼に 頬に そのやわらかな唇で 触れてほしい 掌に 首に 胸に 触れてほしい 心に 触れてほしい ちいさな爪が 触れられぬもどかしさを 掻きむしる 濡れた頬に そっと優しく あたたかく 触れてほしい 貴方の唇で 今夜もあわく滲む 夜空を睨み…

光る魚

金曜の夜、私は魚になる。 両手のつめに重ねられた きらきらの淡いあおみどりの乳白色が 私を光る魚にしてくれる。それはまるで、鱗のよう。 昔読んだ鱗がにじいろのさかなの絵本を思い出す。 あの魚もきっと、きれいなきらきらなのだ。光る魚は自由に、好き…

流るる

全てはこの川を通る。 大きな川だ。 何もかも流れてゆく。 魚も蟹も草木も、舟も人も、全て。 色も。 朝陽が登って、夕陽が沈む。 それだけのあいだに、たくさんの色が流れる。 朝陽や夕陽は、ほんとうは だれの、涙なのだろう。 零れ落ちる光のつぶは、まる…

震え。

あなたの声に大きくふるえる。身体ではなく、心が。 溺れてしまいそうになる。降り積もるあなたの声に、溺れそうになる。降り積もるのはやがて溶ける雪ではなく、 私を絞め殺す柔らかな綿。あなたのその優しい感情の光の波は大きく渦を巻いて私を呑み込む。…

いきている

それはまるで雨のように私の心を濡らし、まるで夏の昼下がりの心地よい風が昼寝をする私の顔を撫でるように優しく撫でる。時には雷のように私の心を震わせ、時には真夏の太陽のように私の心を照り尽す。 雨粒に揺れる木の葉や、風にあおられる切りすぎた前髪…

貴方の色

貴方の色が好きだ。 それは誰にもない、貴方の色。 貴方だけの色。 なにいろでもないのだ。 その色は紛れもなく、貴方の色なのだ。 貴方に私は何色に見えているのだろうか。

息ができないほど

静かに息を潜めている。 私の心の奥で静かに息を潜めているそれは、生まれてからずっと一緒に来たそれは心の奥でずっとその時が来るのを覗っていた。 そう、私の心の中から「外」に出る日を。 私は知っている。 それが何であるかを。 私は知っている。 それ…

愛というより。

たぶん、愛というより 本能によって操作されている。 それが はたして わたしのこえなのか。 ほんとうに わたしのこえなのか。 わたしとは。 ほんとうのわたしとは。 けれど心地よいのはやはり、 そういうことなのだ。

ふわふわ ゆらり

ふわふわ ゆらり きもちよくてふわふわ きもちわるくてゆらり 白か黒か青か赤か どちらかはっきりしない 世の中のたくさんの物事に 痺れを切らす けれど己を甘やかすには グレーの紫の薄ぼんやりした どちらでもない ことが いちばん丁度良くて そんな自分に…

この枷は、私が懇願してつけてもらったものだ。 唯一、この枷は彼方と此方を繋いでいる。 この枷のおかげで彼方へと行ける。 しかし、この枷の持ち主は、いつでも突き放せるのだ。 何故なら私自身が彼方から突き放されているので、この枷さえ捨ててしまえば…

優しいにおい

まどろみのなか 貴方の声が優しくふってくる 優しい 優しい 貴方の声が あんまりにも優しく起こすので うっかり もう一度 ねむりにつく それでもやはり 貴方は優しく起こすのだ さみしくてかなしくて眠れない夜は 貴方のにおいを求めてしまう 貴方の優しい …

その先の掌

頭の中だけ。 イメージだけ。 イメージだけは、いつでも無限にひろがる。 どこにいくのかな。 なにがあるのかな。 待ち遠しいその手も声も口も、頭の中だけ。 届くのか、消えちゃうのかもわからない。 でも手を伸ばしたい。 どうしても、どうしても欲しいと…

きらきらを

あさになるときらきらがうまれる それはだれしもからうまれてくる きらきらだ きらきらはすごくさむいひにしかうまれない きらきらはすごくはれたひにしかうまれない ときどきよるにもうまれてくるが くらいのでよくみえない けれどつきやほしのこうこうとか…

つまさき

どこに向かっているのか 進んでいるのかはたまた退がっているのか わからなくても大丈夫 爪先はいつだって前を向いている あなたの進む方を 向いている

ごみばこ

居場所ってなんだろうね。 どうやって作るんだろう。 人とのあいだかな? それとも自分の心の中とか? どうでもいいね。 そうやって、知らないふりして どうでもいいとかいっちゃって そしたら見なくて済むもんね? 自分が傷つけたひとの心をさ。 それでは質…