肉を噛みたい。

おもにいぬになりたいひとのしをかいてます。

震え。

あなたの声に大きくふるえる。
身体ではなく、心が。

溺れてしまいそうになる。
降り積もるあなたの声に、溺れそうになる。
降り積もるのはやがて溶ける雪ではなく、

私を絞め殺す柔らかな綿。
あなたのその優しい感情の光の波は大きく渦を巻いて私を呑み込む。
私はまるでひとひらの落ち葉のように流れに逆らうこともなく、

ただ流され、呑み込まれる。

そうして溺れていくのだ。

 

あなたと私を繋ぐこの枷は、私の大事なたからもの。
誰の目にも留まらぬちいさなちいさな、大切な傷痕。
あなたが残したこの傷は、やがて膿んでそこから死んでゆく。
まるでこれまでの私を殺すように。

けれどあなたの言った「新しいお前を作る」。
その心地よさに身を委ねて、恍惚と死んでゆく。
これまでの私を殺してゆく快感に溺れていく。