肉を噛みたい。

おもにいぬになりたいひとのしをかいてます。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

流るる

全てはこの川を通る。 大きな川だ。 何もかも流れてゆく。 魚も蟹も草木も、舟も人も、全て。 色も。 朝陽が登って、夕陽が沈む。 それだけのあいだに、たくさんの色が流れる。 朝陽や夕陽は、ほんとうは だれの、涙なのだろう。 零れ落ちる光のつぶは、まる…

震え。

あなたの声に大きくふるえる。身体ではなく、心が。 溺れてしまいそうになる。降り積もるあなたの声に、溺れそうになる。降り積もるのはやがて溶ける雪ではなく、 私を絞め殺す柔らかな綿。あなたのその優しい感情の光の波は大きく渦を巻いて私を呑み込む。…

いきている

それはまるで雨のように私の心を濡らし、まるで夏の昼下がりの心地よい風が昼寝をする私の顔を撫でるように優しく撫でる。時には雷のように私の心を震わせ、時には真夏の太陽のように私の心を照り尽す。 雨粒に揺れる木の葉や、風にあおられる切りすぎた前髪…

貴方の色

貴方の色が好きだ。 それは誰にもない、貴方の色。 貴方だけの色。 なにいろでもないのだ。 その色は紛れもなく、貴方の色なのだ。 貴方に私は何色に見えているのだろうか。

息ができないほど

静かに息を潜めている。 私の心の奥で静かに息を潜めているそれは、生まれてからずっと一緒に来たそれは心の奥でずっとその時が来るのを覗っていた。 そう、私の心の中から「外」に出る日を。 私は知っている。 それが何であるかを。 私は知っている。 それ…