息ができないほど
静かに息を潜めている。
私の心の奥で静かに息を潜めているそれは、生まれてからずっと一緒に来たそれは心の奥でずっとその時が来るのを覗っていた。
そう、私の心の中から「外」に出る日を。
私は知っている。
それが何であるかを。
私は知っている。
それが何をしたいかを。
私は知っている。
どうして、息を潜めているのかを。
ほんとうのじぶんをしられるのはこわい
(ほんとうのじぶんってなんだろう)
きっとだれからもすかれない
(すきになってほしいあいされたいあいしたい)
あいしたい
私の中のそれは、日に日に大きくなる。私の純真を邪魔するかの如く、黒々と、歪に成長していく。
私は普通に愛したかった。
普通に愛されたかった。
ただ一人、貴方が現れるまでは。
その時が来たのだと思った。
私の心の奥でずっとずっと息を潜めていたそれを、いや、彼女を出してやれる。この大海原を自由に泳がせてやれる。そう、もっと自由に。
ああ、なんて心地の良い!
私には運命のようにも思えた。ずっと、そうしていたかった。例えそれが泳いでいないのだとしても。
息をするのを忘れてしまうほどに、美しい貴方の虜になる。そうして、今日もただ貴方に溺れているのだ。