肉を噛みたい。

おもにいぬになりたいひとのしをかいてます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

こしょこしょばなし

つかまえた 君の瞳のその奥に 隠したはずのキラキラが 零れて落ちて 拾い集めたキラキラの 内緒話が聞こえるよ あまいキラキラ からいキラキラ もっとあまいキラキラと もっともっとあまいキラキラが 私の耳を擽るように 囁いて 今夜も貴方を想って 夢をみる

痛み

呼んでいる 心の奥から 腹の奥から 鈍く鋭い痛みが 私を呼ぶ あなたの言葉に心が痛み あなたの残した心に腹が痛む 繰り返し 繰り返し 鈍く鋭い痛みが 私を呼ぶ それはまるで 月の満ち欠け 潮の満ち干き けれど 満ちてもいなければ 欠けてもいない ただの 痛…

なんにもない

ない ないな ないない いやある やっぱりない そうしてつかれて 泣きじゃくって まぶたとまぶたが くっついて おやすみなさい おはよう 今日もない 昨日もなかった 明日もきっとない どうしてないの ぼくとはなんにも ないんだね

窓の下

シーツのシワ うろこ雲のうらがわ 本当はこっちが表かな 海の岩場のような鋭い雲 濃い朱色から紅色に 遠くでは紫になる空の上雲の上 窓の下には町灯がちかちかぽわぽわ 大きな川や山に沿ってあかりが滲む 街は金色 深緑のカーテン 裾野には夜色の川 ひかりの…

枕にうずめて

どうしようもなく好きで好きで好きだと伝えたい日がある。たまに、それが来て私の心(へや)を荒らしていく。 本当にどうしようもないのだ。 「好きだ」と伝えたくて、「好きか」と問いたくて、我慢して我慢して我慢して我慢してカツ丼を食べる。 食べ終えて、腹が…

もう一度行きたい場所

お題「もう一度行きたい場所」 竹田城にもう一度行きたいです。 2年前、竹田城に雲海を見に行ったんですが、運良く天気にも恵まれ見事な雲海を見ることが出来ました。 あの時とてもとても、山道がとっても大変だった思い出なんですが、それを帳消しにするほ…

小指にキス

右手の小指にキスをする あなたの匂いに心が沈む 匂いに沈むと温かさで眠たくなる それで、とにかくキスをしたくなる 必ず、する 必ず、小指にキスをする なんの意味もないけれど それが私の隠した気持ち きっと溢れて すでに見つかっているんだろうけど 右…

泳いでいたい

これは恋だし愛だ。 恋を終わらせるのは多分愛だ。 愛の始まりは多分恋。 そのどちらともつかないまんなかを 悠々と泳いでいたい。 壊したいわけでも終わらせたいわけでも なにかを始めたい訳でもないのだが いつもなにか、勢い余る。 泣きたくなる。

夏の残り香

まだ少しの夏が 肌の上をなぞる湿度が 私を抱きしめるあの日の君の照れた顔も、眩しい太陽も、 照り返す水面、くすぐる潮風、iPodの音楽 全部あの日、ノートと捨てた捨てたノートの内容だって全部覚えている 何度も何度も読んだから 何度も何度も思い出した…

aで始まってiで終わる

そんな大げさな そんなやっかいな そんな優しさで そんな苦しさで 私を蝕む まるで呪い まるで憎しみ まるで悲しみ まるで、まるで その言葉を飲み込んで 踊らされて ずっこけちゃって そしたらあなたが拾い上げて 結局こぼしちゃう たったひとつの

稲妻

視界の端を小さな稲妻が走り抜けた 小さな、まるでトビウオのような一瞬の けれど強かな光だ その瞬間に思い出す あなたの眼が私を貫いたあの光 あれと似ていた だから急に、苦しくなって 愛おしさが込み上げた 苦しいと気持ちいいは紙一重だった その息苦し…

何度も同じ夢を見る あなたに首を絞められて死ぬ夢 どうせ死ぬなら貴方に殺されたい そうじゃないなら自分で死ぬ そう言って夢の中の私は貴方に 私を殺すことをお願いする あなたは優しいので、私を殺す ごめんねと呟きながら目が覚める 寝覚めは最悪 当たり…

夏の暑さに沈む背中

ふと見上げる あの日もこんな空だった ふと俯く あの日もこの道だった 気がつけば季節は移ろい また夏が来る 夏に、なる 溶けてひとつ、またひとつ、 夏になる

夜の白髪

夕日が沈んで夜が始まる 夜の始まりのいろが見えた 今日は少し天気がわるいみたい 夜空が濁ってる ほんのり深く広がる夜の色 薄く出来たグレーの雲 ふと見上げると 白髪が1本長いのが生えていた しばらくすると 白髪は2本 ほんのすこし ぼうっとしている間に…

君はアイスクリーム

たったひと掬いの幸せ ひと口で頬張って じんわり溶けてゆく 優しくて甘くて 冷たい 幸せ ずっと待ってた 幸せな ひととき こんなに求めて 求められて 私、 私、わたし、 溶けて無くなってしまいそう これじゃあまるでわたしの方が

水浸しの枕

まただ。 目が覚めると枕が濡れている。 それもびっしょり。 自分の涙で水浸しだ。 このところ、毎晩夢を見る。 あなたの夢を。 あなたに会いたくて会えなくてかなしい夢。 目の前にいるのに触れられない夢。 あなたの声は聞こえるのに自分の声だけが音にな…

透明の

私を包むそれは包んでいるというよりもまるで 私を独り占めしているみたいだった。 覗き込んだあなたの顔。 偶然捉えたスマートフォンのシャッター。 レンズ越しにあなたの瞳に映る今にも泣き出しそうな私の顔。 握りしめたあなたの手に伝える「まだ帰りたく…

さむいから。 迷子になるから。 お誕生日の前祝いだから。 なんでもいい。 手を繋ぎたかった。 肌と肌を触れ合わせて、 あなたの体温を感じたかったから。 握りしめた右手がじんわり湿って だんだんと思い出す。 あなたが、わたしが、 混ざりあって溶け合っ…

その手に触れるたび、 その手に触れられるたび、 殺されたいと思う。 ただ一人、貴方だけに。 それが叶わないのなら 私の気の済むまでその手で 私の髪を撫で付けていて欲しい。 たぶん、すごく、 あいしている貴方だけに。