肉を噛みたい。

おもにいぬになりたいひとのしをかいてます。

夏の残り香

まだ少しの夏が
肌の上をなぞる湿度が
私を抱きしめる

あの日の君の照れた顔も、眩しい太陽も、
照り返す水面、くすぐる潮風、iPodの音楽
全部あの日、ノートと捨てた

捨てたノートの内容だって全部覚えている
何度も何度も読んだから
何度も何度も思い出したから

夏が来て、終わるたび思い出す私の夏

そして塗り替わる
私の夏

今私を抱きしめているのは
ただの私の両の手だった