1. あれはいつの出来事だったのだろうか。りっちゃんと二人であのカヌーを見たのは。 昼と夜が入り交じった空にクタクタに溶けてしまいそうな一艇のカヌーは、まるで私達など、ここに居ないかのようにゆっくり、ゆっくりと空を滑っていった。 「沙希、あれ…
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