2018-02-06 枷 創作 詩 短篇 この枷は、私が懇願してつけてもらったものだ。 唯一、この枷は彼方と此方を繋いでいる。 この枷のおかげで彼方へと行ける。 しかし、この枷の持ち主は、いつでも突き放せるのだ。 何故なら私自身が彼方から突き放されているので、この枷さえ捨ててしまえば、彼方にはもう、何も残らないのだ。 愛おしさを感じるけれど、それは歪みきっていて。 歪みは、私そのもので。 唯一、この枷は、私を歪みから解放してくれる。 けれど、この枷は この枷は、歪みの表れなのだった。