肉を噛みたい。

おもにいぬになりたいひとのしをかいてます。

しし座流星雨

小一の、今頃のちょうど真夜中。

よく父親と母親の2人とも外出していて家に居なかった事があった。しし座流星群のピークを見極めに夜中に外出していたようだった。しかし私は夜中に1人でトイレに行けないような、まだまだ両親にベッタリ甘えていた頃だったので夜中に目が覚めた時に両親がいない恐怖は尋常じゃなかった。本気で捨てられたと思ったし、あまりにも泣き止まないから照れ屋の兄が抱き締めて泣き止ませてくれたのを覚えている。

 

その日の夜も両親は外出していて家にはいなかった。ちょうどトイレに目が覚めて母の姿を求めて泣いていた時、興奮した両親が帰宅し、あれよあれよというまに寝ていた兄も起こして両親の知り合いの牧場に連れていかれた。(当時は田舎の繋がりがあれば私有地だけど入ってOKのふんわりルールがあった。)私は両親が戻ってきた事が嬉しかったので眠気などどうでも良くなっていて、夜中に外出するというワクワクにさらに目が冴えた。兄は眠そうだったが。

牧場に着くと父はニッコリしながら「そらを見てみろ」と言った。

訳が分からなかったが言う通りにそらを見ていたら一筋の流れ星が流れた。すると父は「幾つ数えられるか勝負しよう!」といい、5つ数えた頃にはもう数えられないほどの星が降り注いですぐに圧倒された。本当に星が落ちてくるかのようにさえ思えて子供ながらになんとも言えない感動に包まれたのをよく覚えてる。
こうしてみると父は、母や私たちに突拍子もないことをするけどそこにはものすごい愛情がある事を大人になってから頭で理解した。

子供の頃の嬉しい気持ちや楽しい気持ちは、多分これから先両親と喧嘩をしたとしてもずっと思い出すんだろう。